母親のこころ 2

現代の子育てはとても過酷です

乗り越える方法を考えましょう。

自分を責めず、周りの人に助けてもらいましょう。

手を抜けるところは抜きましょう。

週に一度は子どもと離れる時間を持ちましょう。

大変な時期は数年です。必ず楽になります。

解説

現代の過酷な子育ての乗り越え方を考えましょう。

現代社会において、子どもが育っていく環境は昔と大きく変わっています。そのうえ、日本社会が一様に望む良い子の像は、子どもを育てる母親に重くのしかかっているのです。

また親自身が「あなたはあなたでいいのよ」と言われてこなかった現実は、子育てに大きく影響しています。力を抜くことがとても下手な人が多いようです。

子どもに「あなたはあなたでいいのよ。そのままのあなたを愛しているよ」と言ってあげるには、母親自身が“力を抜いて”“自分の能力の範囲内”で“やるべき事をやっていくこと”が大切です。自分の能力を過大評価してはいけません。間違ってがんばり過ぎると「やっぱり私はダメだ」と自分を責めることになります。人間ですもの、完璧なはずがないのです。

力を抜いた子育てをするために、いくつかを提案します。

まず、自分を責めずに、周りの人に助けてもらいましょう。

母親のこころのバランスは子育てのキーワード」参照。

手を抜ける時は抜きましょう。

優先順位を間違えず、“今やるべき事”と“後でやってもいい事”と“やらなくていい事”を決めましょう。泣いている子と家事では、泣いている子を優先させてください。子どもには「今」が必要なのです。それをはずさなければ、結局後が楽になります。はずせば手がかかります。

夫にも理解してもらい、家事の手抜きを工夫しましょう。食器洗い機などの文明の利器をどんどん使ってほしいと思います。

週に一度くらいは、少しの間でも子どもと離れる時間を持ちましょう。

まず、子どもを安心して預けられる人を確保する必要があります。夫や両親、友人など。いなければ、ベビーシッター、託児所、ファミリーサポートなどを利用しましょう。

その時間はお母さんの好きな事に使ってください。一人の大人に戻って、映画に行ったり、美容室に行ったり、ランチを食べたり。心のバランスをとるために、なくてはならない大切な時間です。離れることでまた子どもが愛しくなれば、子どもにとってこんなにうれしいことはありません。育児ノイローゼを、これで乗り越えられたお母さんも少なくありません。また、お母さんが外で仕事をすることで、気持ちのバランスがとれていく事もあります。自分の正直な気持ちを大切にしてください。

この大変さも長くは続かない事を頭に入れておきましょう。

それぞれの子どもによって「子どもをしたい量」が決まっています。それは、生まれ方や性格にもよりますが、満足するまでずっと親にねだり続けます。いっぱいになり、満足したら離れていけるのです。

とても手のかかる子どもを持ったお母さんも「楽になりました。嘘のようです」という話を必ず聞きます。頼れるものは何でも頼り、とりあえず、だいたい3歳を目処に、大変な時期は過ぎていくと思ってください。(もちろん下の子ができれば、その子が3歳になるまでですが・・・)

感情的になることもあるでしょうが、それは悪いばかりではありません。そういう生身の人間同士のふれあいも大切だからです。感情的にならない良い母親も、我慢する良い子の“それ”と同じで無理が続かなくなるかもしれません。どうしても子どもに対して優しい気持ちになれないとしたら、それはお母さん自信の押し込められた“子どものこころ”が泣いているのです。何らかの方法で、自分をいたわってあげてください。